日本の「武器輸出解禁」
2026年3月6日、自民党と日本維新の会の安全保障調査会は、防衛装備品の輸出を非戦闘目的の「5類型」に限定している現行ルールを見直す提言を高市早苗首相に提出しました。
提言を提出後、自民党の浜田靖一安全保障調査会長は記者団に、「防衛産業の基盤をつくっていかなければいけない」と主張しました。
維新の会の前原誠司安保調査会長は「防衛産業基盤が脆弱になり、自分の国を自分で守ることについて弱くなってきた」と5類型の問題点を指摘しました。
政府は与党提言を踏まえ、来月(4月)にも国家安全保障会議(NSC)で運用指針を改定する見通しです。
現在の「防衛装備移転三原則の運用指針」は、輸出可能な装備品を救難、輸送、警戒、監視、掃海の5類型に限定しています。
このため現行ルールでは、外国と共同開発した装備品の輸出は認めるなど例外はありますが、国内の防衛産業が販路を広げる障壁になっているとの見方がありました。
そこで5類型を撤廃することにより、戦闘機や護衛艦など殺傷能力のある武器も原則輸出可能にしようとするものです。
政府が武器輸出拡大を目指す理由は2つあります。
1つ目は、防衛産業の強化です。
輸出拡大により、日本の防衛産業の技術力維持や生産基盤の安定を図り、防衛事業からの撤退を防ぐことで、有事の際に必要な装備品の調達や、安定的な修理・整備(継戦能力)を維持することができます。
2つ目は、武器輸出を通じた同志国との安保関係の強化になります。
武器輸出では、輸出元の国は防衛装備品のメンテナンスやソフトウエア改修などで輸出先の国と長期間にわたって緊密な関係を築くことができます。
2014年4月1日、政府は、装備品輸出を事実上禁じていた「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」および「防衛装備移転三原則の運用方針」を策定しました。
武器輸出を原則禁じてきたルールを改め、日本の安全保障に資する場合の海外移転や国際共同開発に道を開いたのでした。
しかし政府や防衛産業が当初期待したような成果は上がりませんでした。というのも当時の運用指針は、輸出できる装備品を「救難」・「輸送」・「警戒」・「監視」・「掃海」の5類型に限定していたからです。
現時点までで、有償輸出による完成装備品の海外移転は2020年の三菱電機製の警戒管制レーダー(4基で約1億ドル)のフィリピン国防省との契約のみです。
2022年12月16日、政府は新しい国家安全保障戦略等(いわゆる戦略三文書)を策定しました。
新たに策定された国家安全保障戦略では、「安全保障上意義が高い防衛装備移転や国際共同開発を幅広い分野で円滑に行うため、防衛装備移転三原則等を始めとする制度の見直しについて検討する」と明記されました。
国家安全保障戦略の策定以降、2023年12月および2024年3月に、防衛装備移転三原則の運用指針の改正が行われるに至りました。
ちなみに、国家安全保障戦略の策定以前の2022年3月に、ウクライナへの非武器支援に関する運用指針の改正が行われています。
それぞれの運用指針の改正の概要は次のとおりです。
●2022年3月の改正では、被侵略国のウクライナへの防弾チョッキ、防護衣・防護マスク、0.5トントラック・高機動車・資材運搬車等の装備品(非武器)の移転が可能となりました。
●2023年12月の改正では、米国由来以外も含むライセンス生産品(完成品を含む)をライセンス元国へ提供可能となり、自衛隊が保有する「パトリオット」ミサイルを米国に移転しました。
(日本の防衛省と航空自衛隊は「ペトリオット」と呼称しています)
●2024年3月の改正では、国際共同開発・生産した完成品の第三国への直接移転について、次期戦闘機(GCAP:global combat air programme)に限定し、第三国への直接移転を認め得るとされました。
ちなみに次期戦闘機(GCAP)については、2024年3月26日にGCAP完成品の第三国直接移転を容認する閣議決定がなされています。
さらに豪州次期汎用フリゲートの完成品等(完成品、部品および技術情報)のオーストラリアへの移転を認め得ることが、2024年11月28日に国家安全保障会議で確認されています。
日本の武器輸出制度を取り巻く課題などについて述べてみます。
初めに「武器輸出三原則等」および「防衛装備移転三原則等」の策定の背景について述べ、次に自民党と日本維新の会が政府に提出した5類型撤廃に関する提言について述べ、最後に我が国の防衛産業を取り巻く課題について述べます。
(1)「武器輸出三原則等」の策定
1967年に佐藤栄作内閣は、
①共産圏諸国向けの場合
②国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合
③国際紛争の当事国またはそのおそれのある国向けの場合には武器輸出を認めない
という「武器輸出三原則」を策定しました。これらの原則は、本来、上記3つの原則に合致した場合に武器を輸出することを禁止することを示したものであって、決して武器の輸出そのものを禁止したのではありませんでした。
ところが1976年、三木武夫内閣時にこれが拡大解釈される形で、全面的に禁止されたことにより日本は自らの首を絞めることになってしまったのです。
この佐藤内閣、三木内閣の原則を総称して、「武器輸出三原則等」と言われています。
1983年、米国政府から日米間の防衛分野における技術の相互交流の要請を受けた中曽根康弘内閣は、米国の日米防衛技術相互交流の要請に応じ、対米武器技術供与に限って、初めて武器輸出三原則等の例外とすることを決定しました。
この「対米武器技術供与」を皮切りに、2010年までに18 件が内閣官房長官談話や関係省庁了解により「例外化措置」として積み上げられ、徐々に三原則が緩和されてきました。
さらに、2011年12月27日、民主党政権の野田佳彦内閣は、武器輸出三原則等を個別に例外化してきたこれまでの措置を改めるため、「防衛装備品等の海外移転に関する基準」(いわゆる「包括的例外化措置」)を内閣官房長官談話として表明しました。
以上のような経過をたどり、武器輸出三原則等の限界が見えてくることになりました。
(2)「防衛装備移転三原則等」の策定
そこで、2014年4月1日、安倍晋三内閣は、国家安全保障会議および閣議において、従来の「武器輸出三原則等」に代わる防衛装備の海外移転に関する新原則として、「防衛装備移転三原則」を決定しました。
以下の項目に当てはまる場合には防衛装備の海外移転を認めないとするのが第1原則で、移転を認め得る場合の限定ならびに厳格審査および情報公開が第2原則、目的外使用および第三国移転に係る適正管理の確保が第3原則です。
①当該移転が我が国の締結した条約その他の国際約束に基づく義務に違反する場合
②当該移転が国連安保理の決議に基づく義務に違反する場合
③紛争当事国への移転となる場合
また同日、国家安全保障会議において、以下に当てはまる場合の防衛装備の海外移転などを防衛装備の海外移転を認め得る案件を定めた「防衛装備移転三原則の運用指針」を決定しました。
①米国をはじめ我が国との間で安全保障面での協力関係がある諸国との国際共同開発・生産に関する海外移転
②法律に基づき自衛隊が実施する物品又は役務の提供に含まれる防衛装備の海外移転
③米国との相互技術交流の一環としての武器技術の提供
④米国からのライセンス生産品に係る部品や役務の提供、米軍への修理等の役務提供
⑤我が国との間で安全保障面での協力関係がある国に対する救難、輸送、警戒、監視および掃海に係る協力
なお、「防衛装備移転三原則」と「防衛装備移転三原則の運用指針」を総称して「防衛装備移転三原則等」と呼ばれています。
ちなみに、「防衛装備」とは、武器および武器技術をいいます。「武器」とは、輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)別表第1の1の項に掲げるもののうち、軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるものをいい、「武器技術」とは、武器の設計、製造または使用に係る技術をいいます。
佐藤栄作内閣の「武器輸出三原則」は、ココム・リストの順守など国際社会との連携を表明したものです。
三木武夫内閣の「三原則」は、いわゆる一国平和主義そのものであると思います。
三木総理は、衆議院予算委員会(1976年2月27日)において「武器の輸出については、平和国家としての我が国の立場から、それによって国際紛争等を助長することを回避するため、政府としては、従来から慎重に対処しており、今後とも、次の方針により処理するものとし、その輸出を促進することはしない」と述べています。
憲法改正、自衛軍の創設、自主防衛などを唱えていた中曽根内閣と安倍内閣は、なぜ「武器輸出三原則」等を撤廃しなかったのかには理由があります。
それには内的要因と外的要因が考えられますが、
内的要因には、防衛産業は「死の商人」のレッテルを張られることを嫌ったからです。そのため、政府も防衛産業も輸出に積極的でなかったことが挙げられます。
政府が輸出推進を言い出したのは最近の事です。その背景には、ロシアのウクライナ侵攻を受けて注目された日本の継戦能力の問題と、その継戦能力を支える防衛産業の能力の維持の問題が、喫緊の課題として浮上したことがあります。
外的要因には、米国の意向があった可能性があるからです。
日本は、航空自衛隊の戦闘機「F-1」および「F-2」開発で完全な自主開発には制約を受けました。それは日本の防衛産業が力をつけることを米国が警戒したからに他なりません。
米国が日本を信頼できる同盟国と見るようになったのは2014年に集団的自衛権の行使を容認した頃ではないかと思われます。
自民党ホームページに公開された「『防衛装備移転三原則の運用指針』の見直し(いわゆる5類型撤廃)に関する提言」(令和8年3月4日)の要旨を取りまとめてみます。
(1) 現在の安全保障環境
2024年3月の前回の運用指針の改正以降、我が国をめぐる安全保障環境はかつてないほど急速かつ複雑に変化している。
このような中にあって、我が国として、同盟国・同志国との協力・連携を強化し、 我が国にとって望ましい安全保障環境の創出を図っていくこと、さらには継戦能力を含めた我が国自身の抑止力・対処力を強化することが重要である。
(2)防衛装備移転の意義
① 同盟国・同志国との防衛協力の拡大・深化
同盟国・同志国のニーズに応じた防衛装備移転の推進を通じ、我が国との相互運用性の向上を伴う形で同盟国・同志国の抑止力・対処力を強化することにより、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出することができる。
② 継戦能力確保のための防衛生産・技術基盤の強化
我が国防衛の観点から、防衛装備移転の推進を通じて有事の継戦能力を支える国内の防衛生産・技術基盤を強化することが必要である。
防衛産業そのものが防衛力である。したがって、輸出を含めて防衛産業の市場を確保し、強固な防衛産業を保持することは、我が国の国益に適う。
(3)5類型の課題
我が国の装備品の高い技術力に対する同盟国・同志国からのニーズがあるものの、現行の運用指針では5類型の制約により移転が困難な案件も生じている。
日本が同盟国・同志国のニーズに適合する形で完成品、部品、技術および修理等の役務の防衛装備協力を戦略的かつ効率的に進めていくためにも、今般、5類型撤廃に向けて、与党間の議論を踏まえ、以下の(4)具体的な方向性 、(5)丁寧かつ分かりやすい説明、および(6)今後の課題について結論を得た。
(4)具体的な方向性
ア.移転が認められる防衛装備品の性質
5類型撤廃に際しては、以下のように、装備品の性質等を踏まえた適切な装備移転の考え方や手続を合わせて措置することがこれまで以上に重要である。
①「武器」移転の国際社会への影響等に留意し、責任ある装備移転管理の制度を整備した上で、「武器」を含むすべての完成品、部品、技術および役務の移転を原則として可能とする。
②その際、主として、殺傷・破壊能力の有無により、防衛装備を分類し、それに応じて移転の要件に差異を設ける。
③具体的には、防衛装備を「非武器」(防衛装備であって、自衛隊法上の武器以外のもの=殺傷・破壊能力なし)、「武器」(=殺傷・破壊能力あり)、に分類し、この分類に応じて移転先、審査要領を設定する。
④なお、グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)の完成品を我が国から第三国に直接移転することを認め得ることとした際、通常の審議に加え、個別案件ごとに加重手続き(閣議決定)を行う旨を閣議で決定している。
引き続き責任ある装備移転管理を行う観点から、GCAPに関するこのような管理は今後も維持することが適当と考えられる。
イ.防衛装備品の移転先
現行の運用指針を参考としつつ、防衛装備品の性質に応じたアプローチをとる。
(ア)非武器
殺傷・破壊能力がないことから、移転先に制約を設けない。
(イ)武器
殺傷・破壊能力を有することから、移転先を国連憲章の目的と原則に適合する方法で使用することを義務付ける国際約束の締結国に限定する。
また、「武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国」への移転は、我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合を除き、原則不可とする。
(締結国)2026年1月28日時点で、以下の17か国との間で、移転された防衛装備品について国際連合憲章の目的と原則に適合する形での使用を義務付ける「防衛装備品・技術移転協定」を締結済みである。米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、オーストラリア、インド、シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)、モンゴル、カナダ。
(ウ)なお、5類型撤廃に合わせ、国産完成品以外の防衛装備品の移転 (共同開発・生産の完成品の第三国移転等)についても、上記の整理を踏まえ、必要な措置を講じる。
ウ.防衛装備品の分類を踏まえた手続
5類型撤廃に応じた責任ある装備移転管理の制度を整備する観点から、上記のような防衛装備品の移転先の整理を踏まえた、適切な手続を定めることが必要である。
①具体的には、今後より厳格な審査を行う観点から、「武器」移転の審査項目として明確化される項目(我が国の防衛力整備への影響、自衛隊の運用に与える影響等)を拡充する等の必要な措置を講じる。
②また、従来の「武器」移転と同様、過去に「武器」移転を認め得るとの判断を行った実績がない場合は、国家安全保障会議で審議する。
③その上で、政治的な視点からも厳格審査を行う観点から、国家安全保障会議で審議する場合には、あらかじめ与党と調整することを政府に求める。
④さらに、国会や国民への説明を更に充実させる方法について、政府において検討の上、成案を得るよう求める。
(5)丁寧かつ分かりやすい説明
5類型撤廃の必要性と意義、適切な装備移転管理の仕組みの下で装備移転を行っていくことについて、丁寧かつ分かりやすい説明を国民に向けて行うことを求める。
(6) 今後の課題
官民連携の強化を含む政府全体の体制整備について、三文書の改定に関する議論の中で検討することを政府に求める。
以上が、自民党ホームページに公開された「『防衛装備移転三原則の運用指針』の見直し(いわゆる5類型撤廃)に関する提言」です。
防衛産業を取り巻く課題
防衛省「今後の防衛生産・技術基盤の維持・強化について~防衛装備庁技術シンポジウム2022~」(2023年3月)です。
(1)全般
①事業としての魅力の低下
高度な要求性能や保全措置への対応の必要性等により、多大な経営資源の投入を必要とする一方、収益性は調達制度上の水準より低く、企業にとって魅力が低下している。
②産業全体の活力の低下
魅力が低下する防衛産業においては、事業撤退が進み、企業による新たな投資や新規参入も低調である。適正な競争環境・イノベーションは失われ、安全保障分野における技術優位の喪失のおそれがある。
③様々なリスクに満ちた事業環境
輸入規制等により原料等の供給が途絶するリスク、懸念ある部品により情報が窃取されるリスク等のサプライチェーン上のリスクに加え、防衛関連企業に対するサイバー攻撃等、様々なリスクが顕在化している。
④販路の限定性
防衛産業にとって、顧客は基本的には防衛省・自衛隊に限定されている。販路が限られては、企業にとっての魅力は低下の一途、産業としての成長は期待できない。
(2)防衛事業から撤退する企業
日本の防衛産業では、開発コストに見合った収益が期待できないことなどから、2019年から2022年にかけて、事業の縮小や撤退が相次いでいる。

(3)防衛装備移転三原則等による販路の制約
日本の防衛産業の特性は、仕様が特別なため、民生品に転用することは難しいうえ、防衛装備品の輸出は「防衛装備移転三原則」や「運用指針」により厳しく制約されていることである。
政府は2014年4月、装備品輸出を事実上禁じていた「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」や「運用指針」を決定した。
武器輸出を原則禁じてきたルールを改め、日本の安全保障に資する場合の海外移転や国際共同開発に道を開いた。
しかし政府や防衛産業が当初、期待したような成果はこれまで上がっていない。なぜなら、現行の運用指針は、輸出できる装備品を「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型に限定しているからである。
既述したが、現時点までで、完成装備品の海外移転は2020年の三菱電機製の警戒管制レーダー(4基で約1億ドル)のフィリピン国防省との契約のみである。
以上が、防衛省「今後の防衛生産・技術基盤の維持・強化について~防衛装備庁技術シンポジウム2022~」(2023年3月)です。
長期化するウクライナ戦争の教訓は、継戦能力の維持です。継戦能力の維持には国民の士気を前提にして、組織的に防衛作戦を遂行できる能力、中でも武器・弾薬の生産・供給能力を継続的に維持し続ける能力が重要となります。
我が国の防衛生産基盤の特性は、我が国には工廠(国営工場)が存在しないことから、防衛生産基盤のすべてを、防衛企業が担っていることにあります。
しかしながら防衛分野の事業から撤退した企業は直近20年で100社超に上ります(出典:日本経済新聞「防衛産業、20年で100社撤退 生産・輸出支援法が成立」2023年6月7日)。
このままでは有事の際に継戦能力を維持できない恐れが出てきます。防衛産業が防衛事業から撤退する最大の理由は、儲からないからに他なりません。
市場が防衛省による少量の需要に限定されていることから、量産効果は期待しにくい状況にあります。
従って、我が国の防衛産業を儲かる産業に育成するためには、各企業の防衛部門を再編・統合して、既存の資源を集約し、生産性を向上し、そして国際競争力を強化すること、および現行の防衛装備移転三原則を撤廃して、海外に防衛装備品を輸出することにより販路の拡大やコスト削減を図り、もって防衛企業の利益を増大することだと思います。
防衛装備品の海外への移転は、同盟国・同志国との実効的な連携を構築し、力による一方的な現状変更や我が国への侵攻を抑止するための外交・防衛政策の戦略的な手段となるのみならず、防衛装備品の販路拡大を通じた、防衛産業の成長性の確保にも効果的です。
一方で防衛装備品の海外への移転は、日本の平和国家としての信頼を損なうという意見があります。
日本が平和国家の理念を守っていれば、他国が日本を侵略しないという保証はどこにもありません。それどころか日本が防衛努力を怠った場合、自ら国を守る意思と能力がないと見なされ、周辺国からの軍事的な圧力や侵略を招きやすくなることは間違いありません。
我々日本人は、商業国家カルタゴの歴史の教訓を想起しなければならないと思います。
商業国家として繁栄し地中海交易を支配していたカルタゴは、一方で軍事的な危機管理を怠り、次第に傭兵に依存するようになりました。そうした中で、新興のローマに仕掛けられた3次にわたるポエニ戦争(前264〜前146)で体力を消耗、軍事的援助を頼める国もなく、最後はローマに徹底的に破壊し尽くされてしまいました。
カルタゴの歴史は我々に2つの教訓を残しています。
1つ目は、自分の国は自分で守るという気概のない国は滅びてしまう。
2つ目は、経済的繁栄は軍事的な裏付けがあってこそ維持できる。
以上を参考に、武器輸出に関するこれからの国会討論を、野党主張と共に注視してみてください。
