皇室継承問題
女性宮家創設とは、あの民主党の野田内閣から突如として案が出されました。小泉政権下2004年の皇位継承問題として提起された時とは状況が全く違います。2006年に秋篠宮悠仁親王殿下がご誕生になりました。勿論このご誕生により、当面は回避出来るものの皇位継承問題が根本的に解決されたことにはなりません。
しかし何故「女性宮家」創設なのかという事はあります。ご皇室、そして先帝陛下、天皇陛下へのご配慮と言うことかもしれません。今上陛下は、極めてご公務等に真面目に取り組まれ、世界一多忙と言われています。全ての閣議決定等に目を通され深夜に及ぶこともたびたびあるという事です。また各国の大使への接受にお立会いになります。
もしそのようなご公務の軽減を考慮してとのことなら、ごくわずかですが検討する意味はあると思います。しかしそれならご公務に関して宮内庁が、天皇陛下のご意向を聞きながら、方法論によってご公務の軽減は可能なことだと思います。例えば各国大使への接受は、礼を多少は失するかもしれませんが月に一度まとめてすることも可能だと思います。
つまりご公務軽減への配慮は、「女性宮家」創設への根拠とはなり得ません。
どうもこの提案は当時の羽毛田宮内庁長官から出されたようであることです。当時の羽毛田長官は、小澤元民主党代表が、中共の習近平副主席との御会談のごり押しに苦言を呈し当時天皇陛下、今上皇陛下をお守りしたと理解しています。
ところがその発言は「天皇陛下の政治的利用」があってはならない、と言う事で至極当然なのですが、状況を見れば明らかに中共に対して力の誇示としか思えない小澤の個人的利用であると私は確信しています。宮内庁長官であればさらに踏み込み「天皇陛下の政治家個人利用は断じて許せない」「職を辞してもご皇室の慣例は守る」このように発言するのが宮内庁長官、つまり官僚としてのトップの責任だと思います。それこそ宮内庁長官としての政治家に対する気概だと思います。
故石原都知事のオリンピック招致に関して「皇太子殿下の総裁就任要請」もまさしく皇室の政治的利用であり、この時に羽毛田長官は沈黙をしています。
ご皇室による皇室外交は、総理大臣100人分とも言われ大きな効果がありますが、それは絶対的に平和と友好の目的でなければなりません。当時の羽毛田長官にその認識があるとは到底思えません。
ちなみに天皇陛下は、憲法の条文にあるように「国民統合の象徴であり、国政に関する機能は有せず」であり、国事行為に限定され政治的行為は出来ません。
さらに三笠宮寛仁親王殿下の「男系の維持を希望する」というご発言に対し、ご発言の自粛を要請したり、秋篠宮悠仁親王殿下ご誕生直後にもかかわらず「女性天皇・女系天皇」に言及しています。私はその時の状況も考慮しない極めて不謹慎な発言と思いました。
さらには英国ウィリアム王子の御婚礼参列においては、ご皇室の慣例を誤っています。天皇陛下、今条項陛下に相談したとのことですが、皇太子殿下、今天皇陛下の御婚礼参列を「順番」として認めると発言しました。これは大きな誤りであり、王子と言う事に対する「格」の問題です。皇太子には皇太子、それ以下の王族には皇太子未満の皇族が参列と言う、日本としての皇室の「格」の問題なのです。果たして宮内庁長官たる地位の人間が本当に日本のご皇室に対してきちんとした認識があるかどうか疑問でした。
日本の天皇家の「格」は世界最高の地位であり、ローマ法王も天皇陛下には上席を譲り、アメリカ大統領もホワイトタイをつけます。世界でEmperorは天皇陛下のみが使用できます。世界で唯一の皇帝なのです。
私は宮内庁長官として不適格と思いました。上記に述べた他に、当時羽毛田宮内庁長官は、厚生省事務次官経験者ですが、厚生省時代に新宿のノーパンしゃぶしゃぶでの接待で名前が挙がった人です。ノーパンしゃぶしゃぶがいけないと言うのではなく、かようなところに接待を受け、数多く通った人物は宮内庁長官としてふさわしくないと思います。
2010年の民主による政権交代時にも真っ先に皇位継承に関して提言しています。
このような宮内庁長官から出された提案です、まず
第一として
天皇陛下より任命された、しかもご皇室に対する正しい認識を持っているとは思えない宮内庁長官として不適格な人物による「女性宮家」創設という提言は出来ないと思います。そして政府の皇室典範に関する有識者会議です。当時の会議メンバーに園部逸夫元最高裁判事が選ばれました。園部氏は外国人参政権に対して判決において、傍論ではありますが認める意見を述べています。
日本が本当に民主主義であるならば、この有識者の選任も国民によって選ばれなければ、時の政府の意向に沿った人物が有識者となり、場合によっては国民の気持ちとは全くかけ離れた結論になってしまいます。国民により選任された有識者でなければ、民意が反映されたことにはなりません。
そもそも「国民主権」という権利は、日本国民はどのようにして持ったのでしょうか。日本国民は2684年間にわたり天皇陛下により統治継続してきています。民衆が革命を起こしたこともなければ、権利を得るために何らかの行動をしたこともありません。
つまり「国民主権」そしてその他各権利は天皇陛下より賜ったものなのです。これを恩賜権利といい、民衆自ら勝ち得た回復権利ではないということです。日本国の君主である天皇陛下より国民に授けられた権利なのです。ここにも日本が世界でも極めてまれな国と言う事が言えます。日本国憲法は第一章において天皇を君主として解釈し、条文化した世界でも稀有なまさしく「立憲君主国」なのです。
総理大臣、最高裁長官、衆参両院議長等は天皇陛下より任命されます。つまり天皇陛下の「臣」であり国民と併せ、「臣民」となります。
「臣」が「君」について提言したり、皇室の事に関して論じることも、提言することも「立憲君主制」ではあってはならないことです。日本国憲法の精神に反することになると思います。つまり国体に関することは臣民が変えることは出来ないと言う事になります。
第二として
女性宮家創設は、「女性天皇・女系天皇」につながる可能性があります。日本は歴史上世界最古の国家であり、その根拠は一系の天皇家が君臨してきたことです。一系と言うのは男系を継続してきた万世一系のことであり、世界共通して父方の血筋を元に家系は記録されています。遺伝子的にはY染色体で継続される家系と言う事になります。わかり易く言えば、父系を辿っていくと初代神武天皇に行きつくということです。
古事記・日本書紀に記され、世界にもその記録は残っており、世界が認めた万世一系の天皇家と言う事は人類で他に例を見ない、人類史上最古の一系なのです。その価値は世界が認め、アインシュタインもこのような万世一系に驚嘆し、かような君主によりおさめられてきた日本人の資質を最高の賛辞で述べているのです。
つまり万世一系、男系による継承が2684年も続いている事に世界がその価値を認め、敬意を払い、人類最高の地位として崇めているのです。
既に世界が認めている、地球全人類の共通した財産であり宝物という存在が、天皇陛下と言う事です。
連綿と続く日本の歴史で国号が変わらないのは万世一系の天皇家の存在ゆえなのであり、由緒ある皇室を頂点として歩んできているのが日本なのです。
昭和天皇は、終戦後直ちに全国を御巡幸されました。世界的に見れば戦争の苦しみからトップへの批判等は避けられないのが常識だと思います。しかし日本国民は日の丸を振り、天皇陛下をお迎えし、共に敗戦から見事に立ち直りました。「こんなに美しい国の元首と国民の心からの親しみ、心と心の結び、これはどこにも見られないことである」と世界が驚いたのです。
地震の際の日本人の秩序正しさ、道徳心等は万世一系の天皇と共に歩み、育まれた日本人だけの精神と言えます。
女性天皇と言う事について説明すると、日本の歴史上8人10代が存在しましたが、いずれも男系女性天皇であり、個々の天皇の性別に過ぎません。しかもその皇位の継承はいずれも男系に継がれています。特に有名な女性天皇と言えば推古天皇があげられますが、敏達天皇の男系である舒明天皇に継承されています。
女系天皇と言うと、天皇自身の性別に関わらず母方から皇室の血統を受け継ぐという血筋についての言葉になります。女性天皇と混同されがちなので別の言い方をすれば母系天皇と言う事であり、母のみが皇統に属していると言う事になります。2684年間、女系天皇は存在していません。
つまり万世一系の男系天皇だからこそ真の価値があると言う事です。世界からすれば女系天皇になれば日本を見る目はもうほとんど価値は無くなってしまうと言う事になると思います。そして大日本国憲法、日本国憲法の委任による皇室典範において、女性天皇はあり得ないことが明記されています。
もし女系天皇が誕生すれば、神武天皇以来の天皇家の男系血統は断絶し、次代からは新王朝が誕生すると言う事になってしまいます。
下世話な表現になりますが、2684年続く万世一系の天皇による種付けでなければならないということです。
第三として
皇室典範の改正は不可能です。皇室典範にはその改正について一切の規定はありません。皇室典範の規定にある皇室会議においても、皇室典範の改正についての議題はありません。議題にあげられないと言う事は、皇室会議に皇室典範改正について論じることは出来ないと言う事です。
ましてや皇室典範の規定に反し、皇室典範改正が内閣に上程され、閣議決定の上に国会の決議となっても、その方法論からしても憲法に違反しており絶対的に無効です。
旧皇室典範は、明治天皇が一文一文吟味され条文化された法律です。その改正を言うなら、それこそ主権そのものを天皇陛下にお返ししなければなりません。明治憲法つまり欽定憲法に戻すという議論の正当性の根拠の一つです。
皇室典範は、日本国憲法第2、5条の規定による、皇室に関する法律であり、改正についての条文はありません。さらに遡り日本国憲法においても皇室典範の改正に関する規定はありません。 憲法改正については可能であるとする第96条がありますが、改正するには国民投票もしくは国会の定める選挙において国民の過半数以上の賛成による承認が必要です。
第四として
「神道儀礼」の問題があります。皇室が行う神道儀礼には女性が行うことが出来ない儀礼が多種存在しています。過去女性天皇もその行事のみは中止せざるを得なかったことは、歴史学者においても通説になっており、執り行われたという文献等は全くありません。
中でも最も重要なのは11月23日の「新嘗祭」で古代から続く祭祀です、これは皇族でもどの様なものか知らされておらず、一子相伝ゆえに万が一の為、皇嗣殿下のみ陪席されています。
神道儀礼は、女性差別とか男女同権同格という問題ではなく、男女の役割とでも言うのでしょうか。女性蔑視でもなく、肉体による違いとでも言うのかも知れません。
万世一系の天皇でなければ、神道としての祭祀儀礼が出来なくなるという事なのです。
以上
●臣民から皇族に対し、言えることは何もないという事。
●万世一系の天皇でなければ価値もなく、世界が認める人類の財産である事。
●皇室典範の改正は不可能な事。
●神道における皇室の祭祀が出来なくなる事。
女性宮家創設は「賛成・反対」の議論ではなく、出来ない事であり「日本という国体を続けますか、それとも解体して日本を無くしてしまいますか」ということに他ならないと思います。
それではどうしたら、皇位継承問題は解決するのでしょうか。皆さんもよくご存じであり、話題になる「旧宮家の復活」「旧宮家との養子縁組」しかあり得ません。
昭和22年の皇籍離脱は、GHQの指令により皇室財産が国庫に帰属させられたため、経済的に従来の規模の皇室を維持できなくなった事によります。反面、東久邇宮稔彦王は内閣総理大臣辞任後に自ら臣籍降下を申し出でされましたが、これは戦争責任とかの別の問題です。
SF条約により日本は国家主権を回復したのですから、GHQの指令は無効と解釈出来ます。そして皇籍離脱もGHQの指令とはいえ法律の根拠がなければ出来ません。この時は皇室典範の解釈により離脱となりました。
ということは、旧宮家の復活は皇室典範を改正する必要はなく解釈で出来ることになります。
皇室の財産等に関しては皇室経済法があり国庫に帰属することは、法律の改正が必要になってしまいます。勿論GHQの指令は無効と解釈すれば、皇室経済法の改正も可能ですが、別の議論も起こり複雑になるかもしれません。
余談になりますが
昭和天皇のご崩御の時遺産相続の問題が起き、現上皇陛下に相続税が課せられました。このような問題も解決するため私は皇室経済法の改正も必要と思います。
女性宮家創設も、国家予算に当然なります。となると制限なく増えていく可能性もあります。旧宮家復活なら、宮家の範囲を皇室典範の解釈により制限出来るので予算上も計算が成り立ちます。
旧宮家には伏見宮 – 閑院宮 – 久邇宮- 山階宮 – 北白川宮 – 梨本宮- 賀陽宮 – 朝香宮- 竹田宮 – 東久邇宮 – 東伏見宮があり、男系として北白川宮 – 梨本宮- 賀陽宮 – 朝香宮- 竹田宮 – 東久邇宮 – 東伏見宮が続いています。
そして何よりも絶対的なことは、天皇陛下並びに皇族方のご意見です。上皇陛下は「国会の議論に委ねることになる」とのお言葉の後に「意見は聞いてもらいたい」と述べておられます。
私は、日本を守るということは、日本の国体を護持する、そして日本とは
●万世一系の天皇
●日の丸、君が代、領土
●日本国憲法
●伝統・文化
に他なりません。さらに一つ一つの事案が、日本並びに日本人の利益になるかならならないかで判断することと信念を持っています。
世論調査をみると国民の70%が「女性宮家創設」に賛成と報道されています。しかしそれは単に男女平等とかで、女性が天皇で何が悪いのという単純な発想であり、天皇と言う意味を重く理解していない結果であり、日本と言う国を充分に理解していないからだと思います。
日本が日本である理由、そして日本と言う国を継続していくなら「女性宮家」などあり得ないことです。日本国民よ、充分に理解して欲しいと強く訴えます。
